日本語母語話者の間違えやすい英語表現

外国語を話す上で大事なのは間違えても気にしないこと、とはよく言われますが、それでもやっぱりできれば間違えたくない…と皆さん思うのではないでしょうか?今回の記事では私が英語で仕事をしてきた中でしばしば遭遇した日本語母語話者にありがちなちょっと不自然な英語表現と、代わりに使える表現について紹介していこうと思います。

 

  1. How to say? / How can I say?

「なんて言ったらいいんだろう」という意味でこちらのフレーズ使っている方、多いんじゃないでしょうか?もちろん意味は通じるとは思うのですが、ネイティブスピーカーたちはこの2つのフレーズはほとんど使いません。

How can I say?に関しては、その後に目的語をつけると少しましになります。例えば"How can I say I'm tired in Spanish?"(不自然ではありますが)おそらく意味は通じる英文ですが、これだと「◯◯は(XX語で)なんて言うの?」という意味になってしまいます。ただ、この場合"How do you say XX in Spanish"のほうが自然な言い方です。また、"How can I say + 目的語"という形はしばしば気まずいことを伝えなければいけない状況で使われます。例えば、"How can I say this...? Your services are no longer required here."といった形でクビを宣告するときに使われたりします。

関連したフレーズで「こんな素晴らしい申し出は断れない」という意味の"How can I say no?"というものもありますが、こちらも意味はかなり違ってしまいます。

「なんて言ったらいいんだろう」という意味を伝えたい場合、"How should I put it?"もしくは"How can I put it?"というフレーズが使われることが多いです。他にもちょっと難しい単語ですが、"Whatchamacallit"なんてのもあります。"Can you pass me the... uh... whatchamacallit? The thing that peels the potatoes"のような形で使います。こういった表現がパッと出てくるとこなれた感が出ていいですね!

 

  1. Every/each関連の間違い

日本語母語話者はしばしば"I met every members of the team"といったように、Everyで修飾される名詞を複数にする間違いをしてしまいます。正しくは"I met every member of the team"です。また、名詞は合っていてもそのあとの動詞の三単現のSを忘れてしまったり、Be動詞の活用を間違えてしまうこともよくあります(例:"Every book in the room are old")。

私も未だに長い文章を話しているときには間違えてしまうことも多い(例:"Each bottle of wine in this cellar, which by the way is always kept at 15 degrees Celsius, contains rich history.")のですが、以下いくつかすぐに実践できる対策を紹介します。

    1. なるべくEvery/eachの使用を避け、Allを使うようにする

問題の解決にはなっていませんが、Allだけ使っていて困ることはほとんどありません。

    1. Every/eachを「全ての」ではなく、「一つずつの、それぞれの」という意味で覚え直す

中学校でEvery/eachを「全ての」という意味で覚えた、という方も多いのではないでしょうか?語義のところから覚え直せば自然に間違いは減っていきます。

(出典・英辞郎https://eow.alc.co.jp/search?q=every

    1. "Every one of XXs""Each of XXs"といったフレーズで覚えてしまい、それ以外の形ではEvery/eachを使わない

Allばかりではなく表現にバリエーションを出したいが、まだEvery/eachで間違えてしまう、という方は"Every one of XXs is""Each of XXs is"のフレーズ単位で暗記してしまうといいでしょう。特に"Every single one of XXs"などのような形で長めのフレーズにしてしまい、ゆっくり"Single"を強調して言っている間に次に来る単語の単複や三単現のSなどを考えると間違える確率はぐんと減ると思います。

 

  1. 不可算名詞系の間違い

不可算名詞とは、簡単に言うと冠詞の"a"をつけられず、複数形の"s"もつけられない単語のことです。これは日本語母語話者だけでなくほとんどの非ネイティブにとって鬼門なのではないでしょうか?ここではいくつか間違えやすいものを紹介しようと思います。

    1. Research: Researchesと言いたくなりますが、実はこれは間違った表現になります。複数の研究だということを明確にしたい場合はStudiesと言ったほうが無難でしょう。
    2. Evidence: 複数の証拠がある、と言いたい場合は"multiple pieces of evidence"と言うのが自然です。
    3. Feedback: 初めて知ったときは衝撃でした。"multiple pieces of feedback""I received a lot of feedback from multiple people"などの言い方は可です。
    4. Data: この単語は実は引っ掛けです。辞書で引くと"data""datum"という単語の複数形なのですが、余程フォーマルなアカデミックな場でない限り"water" "information" のように不可算名詞として扱われます。つまり、ほとんどの場合は"The data are clear"よりも"The data is clear"のほうが好まれます。
    5. Breakfast, lunch, dinner: これらの単語もある意味引っ掛けです。単体で使う際にはこれらすべて不可算名詞なので例えば"I had lunch with my friends"のように使われ、前に冠詞の"a"がついたり、"lunches"のように複数形になることもありません。しかし、前に形容詞がつくとあら不思議、加算名詞になってしまいます!例えば"I had a big lunch""We had a quick breakfast at the café"と言った具合です。混乱の極みですね…。ちなみに、"meal"という単語は加算なのであまり気にせず"a meal"とか"meals"とか言ってしまって大丈夫です。
    6. その他頻出の不可算名詞

ここでいくつか頻出の不可算名詞を紹介しておきます。覚えるしかない不可算名詞ですが、たくさん覚えるとだんだん不可算名詞センサーが発達してきて初見の単語でも感覚で不可算名詞だとわかるようになってきます。結局のところ辞書を引かなければ確証は持てませんが…

Advice, information, knowledge, homework, luggage, news, furniture, equipment, progress, scenery